ロケ地は広島
3月28日にアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した
映画『ドライブ・マイ・カー』。村上春樹さんの短編
小説が原作だが、放映時間は3時間超。
観たのは公開してすぐであったが先の読めない展開
で、かつ緊張感がみなぎる内容なのでさほど長くは
感じなかった。
秘密を抱えた妻に先立たれ、行き場のない喪失感に
苦しむ演出家(西島秀俊)。「広島演劇祭」を任された
彼が専属運転手(三浦透子)との交流を通して自分
自身を見つめ直す姿が描かれている。
大半が広島県内で撮影されていた。
広島市中区の平和記念公園や平和大通り、
呉の大崎下島、それに瀬戸内の風景がスクリーンに
映し出される。愛車サーブで走行中における長い会話
や夜景のシーンも多く、グランドプリンスホテル広島
や高速道路が幻想的に描かれている。
濱口監督が「自分史上、最も美しい映像が撮れた」と
自負するだけあってこの広島ロケ地の情景が国内外
の賞レースを席巻したのは間違いない。
「知りたい、わからない、それでも知りたい」人と
人が理解することやつながり合うことはとても
難しいけど、この映画は気付きの多い作品だった。