「すきま時間」と「ながら時間」に
耳で楽しむ「お話プレーヤー」を購入した。
このプレーヤーには日本文学の169作品の不朽の
名作を俳優や文化人によるあらすじ朗読が収録
されている。夏目漱石の「吾輩は猫である」、
太宰治の「斜陽」、島崎藤村の「夜明け前」、
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」など多彩だ。
目を閉じて聴いていると、その絶妙な語り口に
よって物語の細かい情景までが頭に入ってくるから、
短時間で名作を味わうことができる。
休憩中に、そして湯船につかり、寝る前にも
聴いてみる。ツレは家事や洋裁をしながら聞く。
ちょっとした「すきま時間」と「ながら時間」が
利用できるからいい。いつでも、どこでも、
何回でもかんたんに利用できるのもいい。
しかし、紙の匂いのする手触りが実感できる
紙媒体と比べると何か物足りない。
552ページに及ぶ力作の「塞王の盾」は速読
した後、2回目を熟読中。多少疲れるが、
やはり文字を目で追って口遊む書物の方が
性に合っているようだ。