「フロントライン」を観た
2020年2月、新型コロナウイルスを乗せた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」
が横浜に入港した。連日ニュースで報道される見えないウイルスの恐怖と
現場の混乱とメディア情報の嵐。
守るべきものは我が日本国か?目の前にある人の命か?未知のウイルスを相手に
最前線に立ち続けた人たちがいたことの事実が知りたくて劇場に足を運んだ。
豪華客船の乗客乗員は世界56カ国の3711名。10人の感染者が確認されたことで、
最前線に駆けつけたのは医療ボランティア的組織のDMAT(ディーマット)だった。
医師、看護師、医療事務職で構成され、大規模災害や事故などの現場に48時間
以内に駆けつけ対応にあたるスペシャリストたちだ。未知のウイルスに対応できる
経歴や訓練されていない彼らの活躍ぶりがリアルに描かれている。連日報道されて
いたあの時のことを時系列に追いながら、当事者の視点で見ることができた。
しかし、事象の発生からわずか5年余りで公開までこぎつけたことに驚かされた。
ストーリーは単純でも事実に基き演じた小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介
などの個性溢れる演技も見事で印象に残った。改めて命の大切さを思い知らされた。