地に足のついた政策とは
「給付金を2万から4万円で考えている」
このお年玉レベルの一律給付金は自民党と公明党の夏の参院選の公約だ。
まだ具体的な金額は決まっていないが、財源は2024年度税収の上振れ分
を充てるらしい。『税収増分を国民に還元する』という大義名分だが、
還元するくらいならハナから取り過ぎなければいいだけの話だ。
「選挙目当てのバラマキではない」「侮辱するな」と11日の党首討論で
声を荒げた石破首相は言い逃れをするが、これは詭弁に過ぎない。
随意契約による政府備蓄米の放出という、いわゆる『進次郎劇場』に
よって政権支持率がやや改善したため今なら改めてバラマキ策を打ち
出してもうまくいくのではと考えたのは国民に見え見えである。
思い起こせば、2020年のコロナ禍での一律給付は1人あたり10万円
だった。赤字国債を発行しても構わない。想像を絶する物価高の折、
ショボい給付を止めて1人あたり15万円くらい給付をすれば石破首相も
漢前が上がるはずだ。進次郎がなりふり構わず突破しているのだから、
勇気を持って決断すればいい。
首相は「2024年名目GDP1000兆円の経済を目指す」「平均所得は現在の
5割以上上昇させる」なんて空念仏の公約を発表したが、これも頓珍漢。
足元の経済の実質成長率はほぼ横這いで、この物価高に賃上げが追い
ついていないのに国民に『強い経済のイメージ』などわくはずがない。
この手の絵空事の話は安倍元首相の「10年後に所得150万円増」や
岸田前首相の「令和版所得倍増」と同様、看板倒れに終わることは必至。
国民はこんなウマイ話に誰も耳を貸さないだろう。
どうすれば誰もが安心できる老後を描けるか?子育てしやすい
環境を整備できるか?安全で安心な国民の生活がキープできるか?
私が政府に期待するのは地に足のついた政策である。
失敗しても大丈夫。思い切った決断で国民を『元気付ける策』が
今、必要だと思う。