沖縄の花ブロック

沖縄の建物は戦前は木造が多かったようですが、今ではすべてコンクリート住宅
といっても過言ではありません。その理由は台風の影響です。頑丈でシロアリに
蝕まれず潮風にも腐食しない素材としてコンクリートが重宝されている証拠です。
街を歩いていると花ブロックが至る所で目に付きます。

実は、以前からこの花ブロックのデザイン性には関心があって、リノベの
モデルハウスの外構工事に採用することを検討しました。しかし、沖縄産
なので輸送コストが高く断念した経緯があります。そこで考えたのが、
型枠にコンクリートを流し込んでオリジナルで形成する方法。結果として
「花ブロック風」に仕上げることができて満足しました。周りの人からの
人気も上々です。下の写真が2023年に完成したモデルハウスです。
(広島市西区庚午中)

花ブロックは戦後米軍が基地をつくる際に手動のブロック製造機を
沖縄に持ち込み、一気に拡散されたそうです。沖縄は黒潮が流れる
暖かい海に囲まれています。だから海洋の影響を強く受け高音多湿
であることが特徴です。そこで日差しを和らげ影をつくって風を通す
花ブロックが人気を博しているわけです。

ブロック塀やお洒落なエクステリアやバルコニーの囲い、外壁の
アクセントに使われる花ブロック。人の視線も適度に遮断し、
プライバシーを確保することもできます。実用性と美観を兼ね備えた
透け感が見た目にも美しいホワイトの花ブロック。沖縄の風土に似合う
伝統工芸といえる花ブロック。琉球王国時代の名残りの残る街並みに
マッチする花ブロック。

現在計画中の築後103年の「古民家の宿」にも外構に花ブロックを
採用することも検討したいものです。