ヴンダーカンマーを訪れて
愛知県に出張した際に豊田市美術館を訪れた。
幸運なことに「ヴンダーカンマー」展が催されていた。
「ヴンダーカンマー」とはドイツ語で「驚異の部屋」と訳され、
美術館や博物館のルーツらしい。資料を読み解くと15世紀に
ヨーロッパでスタートしたそうだ。
会場では絵画や彫刻、動物の剥製や陶磁器など世界中の美しいもの
珍しいものが集められ、ゆとりのある空間に展示されていた。
現代の情報技術や映像を使ったテクノロジーにも驚かされた。
写真撮影は一部の展示物を除いてフリーだった。仕事に関係ある
オブジェやタペストリーの参考素材としてたくさんシャッターを
切らせていただいた。
昨年3月に閉館した「豊田市くらし発見館」。明治から昭和までの
生活の様子がわかる展示があって、建物もレトロで見所がたくさん
あった。そして今年の4月26日には豊田市美術館に隣接して新しい
博物館がオープンする。江戸時代に建てられた民家を移築した
体験施設も披露されるという。楽しみだ。
世界的に誇る先端的な技術が生み出されるトヨタ自動車の街、
豊田市。美術館と博物館が併設されると人気は高まりそうだ。
グローバル化が進む中で、今改めて文化や伝統、そして
クラシックとは何かを見つめ直すいいタイミングだと思う。
今回は時間の関係で見学できなかった「童子苑」。
谷口吉生氏によって設計された木造の数寄屋建築だ。
来月はこの静かな佇いを訪れてみたい。