「用の美」椅子を選ぶ
近年、家づくりのテイストに「北欧風」の人気が高まっています。
北欧5ヶ国にはそれぞれ固有の歴史と文化があります。それらをひとくくりで
語ることはできませんが、唯一、共通する価値観といえば「手工芸やミニマルな
暮らしを大切にする」ことではないでしょうか。ミニマルとは可能な限り少ない
ことを意味し、最近、日本でもこの風潮は台頭してきています。
日本と北欧は「用の美」でつながっていて、
自然への親しみも近いものがあります。
そして、私たちが推進している家づくりは
北欧の木製家具との相性がとても良いと
実感してます。
そこで今回はリノベーションした建物に
採用した椅子を紹介しましょう。
「無垢のリフォーム」平屋モデルハウスで採用
したのは「イームズRAR」。
チャールズ&レイ・イームズ夫妻がデザイン
した名作です。世界一の知名度を誇る椅子に
座り、日のあたる縁側で森林浴を楽しめる
ことはとても乙なものです。
昨秋オープンした、「リノベな家・景」のモデル
ハウスには「BKFチェア」、通称「バタフライ
チェア」を採用しました。
1938年に3人の建築家によって発表された
デザインが斬新です。座面のレザーは無垢の
木や自然素材と同じように経年変化が楽しめ、
木の家のインテリアに馴染みます。
革色は使い込むと色が濃くなり味が出るので
楽しみです。
弊社ビルの5Fのマンション・リフォーム館で
採用したのは「ヒルハウス1」。
1902年に建築家マッキントッシュがデザイン
した名作です。着替えするときに「ちょっと掛け・
ちょっと置き」用の椅子です。少し座りにくい
のですが、白の漆喰壁に映える秀逸な造形美は
個性的です。とても気に入っているので、
自宅にもオブジェとして購入しました。
仕事柄、北欧の生活や工芸品、特に家具には
興味があります。しかし「大事なことは北欧
家具を求めることではなく、大好きな木の
家具を大切に長く愛着をもって使うこと」
だと思います。