現役ドラフト移籍選手の活躍

1965年、プロ野球界では将来有望な選手を指名し、
入団交渉をするドラフト制度がスタートした。
チーム間の戦力の均衡と選手の入団時の契約金の
高騰の抑制が目的だった。そして、ドラフト会議は
長きに亘り試行錯誤され、2022年12月9日に
「現役ドラフト」が初めて開催された。
「現役ドラフト」とは、出場機会に恵まれない選手の
移籍を活性化させることで、新たな活躍の場を
与えるために導入された。

セ・リーグの5月の月間MVPを受賞したのは、
阪神の大竹耕太郎投手(27才)と中日の細川成也
外野手(24才)で、いずれも現役ドラフトで移籍
してきた選手だ。

大竹投手はソフトバンクで5年間で9勝したもの
の、昨年までの2年間は未勝利。それが、阪神に
移籍した今年は既に6勝1敗で、エース格の活躍
ぶりで岡田阪神の快進撃を支えている。

一方の中日の細川選手は、ドラフト5位でDeNA
に入団したものの期待はずれに終わり、
現役ドラフト市場に売りに出された。
(DeNAの6年間の通算成績は打率2割1厘、6本塁打)
オープン戦でチャンスをもらった細川選手は結果を
残した。5月は打率3割6分、5本塁打をマークし、
初の月間MVPを受賞し大ブレーク。
今や中日の4番打者に定着した。

プロ野球選手になることは東大に入学するより
難しいこと。それぞれプロとしての才能は備えて
いるが、自身の実力を証明するための出場機会が
なければ、若くして球界を去らなければならない。
監督の好みの選手でないとか、相性が悪いとか、
限られたチャンスを活かせなかったなどの不遇な
選手は過去にたくさん見てきた。
二人の活躍で、プロ野球界ではきっかけさえ
つかめば活躍できる選手が埋れていることが
証明できた。現役ドラフト制度は久々のヒットで
あるといえよう。


阪神タイガース公式サイトより引用


中日ドラゴンズ公式サイトより引用