庭の価値観

住まいの周りにある自然の「心地よさ」を取り込んで
いく手法がパッシブデザインです。
つまり、エアコンなどの機械に頼らず太陽の光や
風といった自然エネルギーと自然素材が持つ効能
を生かすことを指します。

アトリエ景・古江のリノベ工事は「住まいの心地よさ」
を重視し景観をテーマにしました。
景観とは目に見える景色と人々の価値観をセットして
できた言葉です。

リノベな家・景 アトリエ景・古江図面

43年前に建てられた佇まいは南西の道路に西向きの
LDKと北向きのアトリエを擁し、西側に庭を配置して
います。この常識にとらわれない間取りゾーニングは
室内から見える景色を大切にするために、建物と庭の
一体化に苦慮した設計者の意図が伺えます。
都市化によって失われる自然との関係を残して
おきたかったのでしょう。
建物は小さく(30坪)、控え目で、ある意味庭や外構を
主役にすることを想定されていたのかもしれません。
庭には日が当たり、風が通り、雨に打たれ、自然と
共に齢を重ねてきたことが実感できます。

私はこの空き家に一目惚れし、譲り受けて
リノベーションすることを決断しました。
庭には日本人の美意識が凝縮されています。
ゴージャスでなくてもいい。この終の住まいは庭や
外構をしっかり造ることで、住まいとして必ず豊か
になるものと確信しています。

丸山 梅の花にて

丸山 梅の花にて

暖簾をくぐった瞬間から様々な季節感が感じられ、
癒しの空間が広がる「湯葉と豆腐の店 梅の花」。
四季折々の旬の素材が味わえるうえに、自然が
謳歌できる庭もいい。私の大好きな食事処です。