旧態依然は悪
故安倍首相が日本銀行の黒田総裁とタッグを組んで
「異次元の金融緩和」を始めたのは2013年4月です。
間もなく10年になります。
当時は「デフレによって日本経済が停滞している」
だから物価を上げれば経済が上向くという考えで、
2年間で2%の物価上昇を目論みました。
しかし、「物価が上がっても賃金が上昇しない」
スタグフレーションに陥り、日本経済は今や
大ピンチです。世界中の中央銀行が一斉に
「インフレ抑制」に動いているのに、金融緩和を
継続し、政策を変えようとしない政府と日銀。
そして、金融緩和を続ける日本と金融引き締めを
実施する米国の間では、金利差が拡大し円安が
助長されています。
円安なのに貿易収支は赤字です。
日本経済が停滞している姿は2016年当時と
何ら変わっていません。
私の著書の内容を一読してください。(家づくりの教科書Ⅱ)
円の価値が下がる最大の要因は我が国の資源力の不足です。
エネルギーの輸入依存度は9割、食料自給率は4割弱、
それにロシアvsウクライナ戦争の影響で輸入コストが
大幅に上昇しています。さらに、円安で海外からの
労働力(出稼ぎ)が見込めなくなっています。
円安の影響で海外旅行は高くなり、個人投資家は
外貨預金や海外株への投資を増やし、約1000兆円の
預金が海外に流出する可能性も大です。
一刻も早く金融引き締めをし、諸外国との金利差を
縮める必要があります。「旧態依然は悪」です。