AI時代に営業マンは不要?
デジタル化が進化する中で最近、私が営業マンに話をしている内容を
公開します。この原稿は現在執筆している書籍の原稿の一部です。
AIが進化すると、正直言って御用聞き営業マンは生き残れなくなります。
しかし、営業の仕事がすべて生成AIで代替できるわけではありません。
生成AIはデータ分析や自動化に優れ、似せたモノはカタチにできますが、
個性的なクリエイティブな仕事には限界があります。人間が、経験して
体得したノウハウや思考を駆使して生み出す仕組みづくりなどに関しては、
AIは正解らしきものを作成できても、苦手な分野であるといえます。
そして、顧客の本音を引き出す的を射たヒアリングや人生設計や暮らし方を
踏まえて、心づくしの提案や信頼関係作りも難しいようです。顧客の心を
動かすちょっとした気配りや『おもてなしの心』や『琴線に触れる振る舞い』
を発揮することもできません。つまり顧客の心を動かす能力は、人間にしか
生み出せない価値です。商談の場で最後に顧客が意思決定するのは、
感情によるものです。いくら営業マンが言葉巧みにAIで作成した資料を
使ってアプローチをしても、「この営業マンは信用できる」「信頼でき
課題解決に期待できる」と実感していただけなければ、受注につながりません。
有能な営業マンは、過去の実践経験から蓄積されたノウハウを武器に、商談の
セオリーを身につけています。だから、お客さまの好みや条件に合わせて
カスタマイズしなければならない案件は、AIよりも経験値の高い営業マン
のノウハウや知見の方が優れています。
これからの時代は、「世間に行き渡っている情報はAIを活用する」
「AIが対応できないクリエイティブな対応や感情に訴えるところは
営業マンが対応する」というように棲み分けが明確になります。
お客さまの潜在的な不安や、気付いていないニーズや問題点を解決する
など、感情に訴える仕事が営業マンの仕事となるわけです。
トップ営業マンの共通点は、お客さまに自分のことを理解していただき、
相手の意を酌むことができることです。そして、人の心をつかむのが上手で
対人感性力に長けています。対人感性力とは、場の空気を読む力や人の
気持ちを理解する力のことです。そう考えると、丁々発止と渡り合う本格的
な営業の仕事は、ロボットやAIには不向きだといえます。心がないわけ
ですから、お客さまの心を察知して対応することは不可能だと思います。
心とは意識のことで、目には見えませんが、相手の感情や思考、それに伴う
行動などを動かす不可欠な要素となります。顧客のことだけを考えて行動すれば、
その心が相手に伝わります。すると、相手も心を開いてくれます。だから
営業マンには、顧客のことを強く想う心、つまり『想念』が求められるのです。


