中大規模木造建築物の推進について(その2)
前回、中大規模木造建築物の推進について述べさせて頂きましたが、
今回は少し加筆し、新しいビジネスモデルの展開を公開します。
新規事業で拡販する狙いとは
現在、日本の家づくりを担ってきた工務店の経営体質は旧態依然で、このまま
では前途多難です。今後、経営を持続するには「持ち家」中心から「建築と不動産
の融合」戦略や中大規模木造建築物を手がけることが必要となります。
折角、法改正によって恩恵を受けるのですから、遊休地や相続不動産に対して
収益物件を企画したり、木の強みを活かして4階建賃貸マンション、高齢者施設、
介護福祉施設、大規模工場&オフィス複合ビル(テナント・自宅併用賃貸)、
ショールーム、病院、診療所、店舗、保育園、幼稚園、民泊施設、遊技場などの
大規模建築に積極的に参画すべきです。すると、職人さんの匠の技を駆使して
得意な木造で多彩な受注活動が可能となり売上は確実に増大します。
近年、地球環境への配慮や木造建築物の技術革新によって、中大規模木造建築物
が注目されています。そして、産官学を挙げて建築への木材の活用を進める動きが
活発化し、わが国の重要な資源である森林の循環利用をうまく進めるための方策
が練られています。一方、国は2025年のカーボンニュートラルの実現に向け
炭素貯蓄効果が期待できる中大規模木造建築物を推進し、補助事業にも積極的です。
そういった時代背景をベースに、工務店支援を目的に私たちは中大規模木造建築物
を推進する運びとなりました。
中大規模木造建築物を推進するメリット
1.日本の伝統的な職人技やきの価値を最大限に活かすことができる
2.RC造と比べ価格面でお得。賃貸経営をする際の利回りが有利
3.軽量な木は地震力を軽減でき基礎補強工事のコストを抑えやすい
4.高耐震と高耐久で建物の長寿命化に貢献できる
5.震度7の加振実験を10回連続クリアした地震に安全な家
6.建物の骨組みは構造材を現場で組み立てるため工期短縮が可能
7.建物の構造は「大スパン・大架構」を実現し開放的な大空間が実現できる
8.建築時のCO2の排出量はRC造の約2分の1。省CO2に貢献できる
9.木の熱伝導率は鉄の500分の1、コンクリートの10分の1で断熱効果が高い
10.構造躯体は優れた防腐防蟻処理で長寿命化。劣化等級は3を取得
11.4階建の木造でも1時間耐火構造で耐火建築物の基準をクリアできる
なぜ鉄骨やRCではなくて木造なのか?
私共がネットワークしている「すぐやろ工務店会」の会員(有)江尻建築様が
非住宅の木造建築物を手掛けています。施工場所は福島県いわき市。
用途は某電気工事会社の事務所・倉庫・更衣室・物置で、建物規模は平屋で
463.63㎡(140.24坪)です。15人の大工さんが4ヶ月の短工期で仕上げます。
現場で陣頭指揮をとる江尻茂樹社長は「鉄骨やRC造と比べ省コストで、
構造材である木の暖かさや心地良さが好評で、国の施策(省エネや環境配慮)
に貢献できるのが何よりです」と語ってくれました。



