しっかりしてよ、与党幹部

8日の衆院財務金融委員会で鈴木財務相から驚きの発言が飛び出した。
立憲民主党議員からの「減税で国民に還元するのか」との質疑について、
「税の増税分は政策的経費や国債の償還に既に充てられてきた」と答弁した。
この還元案は岸田首相が臨時国会前から訴えてきたのもあるが、
「既に充てられてきた」とは?どういうことなのか?
さらに、鈴木大臣は「還元は財源論ではなく国民にどのような
配慮をするかとの観点で講じるものだ」と言い放った。
首相発言と全く異なる発言に驚かされた。

少しまとめると、岸田首相は「2022年までの2年間で所得税と
住民税の税収が3.5兆円増えたので、国民に税の形で直接還元する」
と断言したはず。

鈴木大臣の答弁と整理すると、「過去の税収増は既に使用済みで、
国民に還元する原資はない」ということになる。
このやり取りからして既に政権内部が崩壊しており、岸田内閣の
退陣、つまり「青木の法則」が現実味を帯びてきた。

「青木の法則」とは「内閣持続率と与党第1党の支持率が合計50%を
切れば政権は瓦解する」というもの。自民党の青木幹雄・元官房長官
が唱えたもので、的を射ている法則だ。

「サラリーマン増税」「防衛費大増税」が報じられ世論の批判が
高まると辻褄のあわない減税策を唱える岸田首相。
求心力が低下しても“岸田おろし”に動かない与党。
最近、岸田首相のフェイク動画も拡散するし、重鎮としての
存在感がないようだ。解散時期は延びたが、首相退陣は急を
告げている。これが国民の実感だ。「頑張ってよ、与党幹部」
国民の悲痛な叫びを大にしてもいいのでは……。