家を売る営業マンの今昔
人口14億人を誇る中国では、すべての土地は中国政府
ならびに人民全員のものであるという考え方から、
個人所有は認められていません。
しかし、地代を支払うことにより住宅用地であれば
70年の土地使用権を得ることができます。
だから、中国の富裕層は「終身制」の日本の土地所有権
制度に着眼し、我が国の不動産を買い漁っているわけです。
『家を売る公務員 ノルマは月4軒』
このフレーズは朝日新聞の「中国不動産の異変」という
連載記事の見出しです。中国の大都市では住民の
平均年収の40倍まで住宅価格が上昇し、超バブルが
発生しています。日本の住宅価格に換算すると1軒
2億円相当の高額です。
そんな折、中国最大の不動産会社(中国恒大)の経営
危機が発覚。家が売れなければ土地の使用権収入が
激減する中国の地方都市の財政。9月末の地方政府
の負債は5年で2倍以上の約700兆円に膨らんでいる
といわれています。そこで、公務員が営業マンとして
家を売っているのです。
そのノルマは月4軒。この数字はかなり過酷です。
『住宅営業 日曜定休だって』
この記事のタイトルはデジタル化によりオンラインで
仕事の効率化が進んだことと、優秀な人材の離職を
防ぐのが理由らしい。
今、日本の住宅業界は「家が売れない」冬の陣で、
住宅会社の苦肉の策であることが窺えます。
住宅営業マンが大活躍した1970年代は、
年間・1人当たり平均10軒。近年は6軒売れば
合格で、春夏秋冬に1軒売るのがアベレージです。
中国の営業マンのノルマは年間48棟です。
それにしても中国人の馬力には
驚かされます。
私が中国で住宅営業の翻訳本を出版
(北京の科学出版社)したのが2004年。
当時中国では一戸建需要が高まっており、
民間住宅会社の営業マンの手引書として
上梓しました。
今や中国では営業力を駆使し猛烈。
日本はデジタル化によりスマート(?)。
「人の心を動かすのがセールスの醍醐味」。
さて、どうなるのか?