中大規模木造建築物の推進について
私たちはこれから中大規模木造建築物を商品化して、新たな事業と
して推進して参ります。中大規模木造建築物とは、建築基準法で
定められた一定規模以上の木造建築物を指します。3階建以上、
延べ面積500㎡超、高さ13m超、軒の高さ9m超のいずれかに
該当する木造建築物のことです。事業推進にあたり、課題になる
のが木造建築物の弱点の克服です。
元来、木造建築物はRC造やS造に比べ耐久性や火災に弱いイメージ
がありました。しかし近年は防耐火技術の進化によって、十分な
防耐火性能を持たせることが可能です。火災時に木材が燃えても
すぐに建物が崩れないように木材の表面が炭化する深さを計算する
技術が開発されています。併せて耐震性や耐久性に関しても技術革新
が顕著です。私どもと4階建建築物を推進するサプライチェーンの
会社では、劣化等級3(最高位)の認定を取得しました。
劣化等級3とは、住宅性能表示制度における「劣化の軽減に関すること」
の最高等級で、大規模な改修工事をせずに約75〜90年間、建物が
維持できるレベルとされています。これは三世代にわたって住み
続けられる建物を目指す長期優良住宅の認定基準のひとつです。
木造の法定耐用年数は22年、鉄筋コンクリート造は47年と定められて
いますが、劣化等級3を取得すると物理的な耐用年数が50年以上となる
ための必要な対策が講じられていると国土交通省のガイドラインにも
評価され公表されています。
さらに、(株)ウッドワンが出荷する木造建築物の主要構造部は
LVL(単板積層材)を採用することによって、耐火性能が義務付けられて
いる4階建にも対応が可能となりました。このような技術革新で
木造の弱点を克服し、日本の伝統的木造工法を活かしながら安全性と
耐久性を備えた木造4階建を開発することが可能となりました。
木を使って職人の手で「木造でビルを造る」ことの意義は大きいもの
と痛感しています。
私たちの目的は
① 木造耐火ビル建築物の商品を開発し、新たな市場を開拓する。
② 脱炭素の取り組みで、高付加価値事業の展開を目指すことです。
大変意義深い新事業の展開にワクワクします。

木造賃貸オフィスビル 2026年竣工予定
施工:(株)竹中工務店
2025年10月29日 日本経済新聞 掲載

木造超高層ビル 24階建(シミュレーション)
企画:(株)シェルター
公式サイトより引用


