不動産バブルが崩壊寸前
中国の公務員が家のセールスを始めた。
玉林市の目標は8000軒のマンション販売であるが、
「一人あたり毎月4軒がノルマ」に中国のインターネット
では疑問の声が上がっている。
なぜ公務員が?その理由は、中国の不動産バブルが
崩壊寸前で、マンションの未完成在庫が山積みされて
いるからだ。
中国という国は、土地はすべて国有地で、家を建てる
には土地の使用権賃料を支払わなければならない。
地方政府の財政はその賃料に依存し、全体収入の4割
を占めている。だから、たくさんの建物やマンション
が売れると潤うことになる。一時、不動産価格は上昇
を続け、バブル状態で住宅価格は住民の平均年収の
40倍と高騰し、販売不振の原因となっている。
(日本円に換算すると1億8000万円)
中国の不動産売上は1991年に5600億円だったが、
30年後の2021年は約260兆円と457倍も増加して
いる。その矢先に、不動産売上No.2の「恒大集団」が
8月にアメリカで破産申請をした。債務超過13兆円、
負債49兆円、開発用地の22兆円がだぶつき、不動産
マンションや住宅の未販売在庫は72万戸と莫大で
ある。桁違いの数字に驚かされる。2022年9月末の
中国地方政府の負債は700兆円。中国そのものが
デフォルトに陥る可能性があるが、想像を絶する国
である。中国では日本の原発汚染問題で騒ぎ立てて
いるが、習近平政権を揺るがすのは、この不動産
問題が火種になる可能性は大である。
中国・北京 高層マンションが立ち並ぶ住宅街