1999年に当時の日銀の速水総裁が打ち出した
ゼロ金利政策。この策は金融システムの不安や
デフレスパイラルを防ぐことが狙いで実施された。
以後、日本の潤沢な資金は高金利通貨国に流れ、
円安バブルを生んだがアメリカのサブプライムローン
問題を引き金に、この円安バブルはもろくも崩壊した。
今や、全世界において金融危機は大問題となり、
投機はタブー視されている。
不動産投資会社での私の指導テーマは『資産で稼ぐノウハウ』。
ケインズ経済学をベースにしたレバレッジ効果を
狙ったものだ。しかし今の時代は?かな。投資に頭を使うより、
やはり資源の乏しい日本では、技術を磨きモノづくりを旨とし
コツコツ汗をかき働くしかないと心底想う。
営業ツールの表紙
『文化の薫り』
私の通った中学校は松山城の中腹に位置していた。
山にそびえる洋館「万翠荘」や漱石と子規が
同居した「愚陀仏庵」はその頃の遊び場(?)だった。
実家から坊ちゃん電車で10分もすれば道後温泉が
あり、高校の母校のそばには子規堂がある。
そんな我が故郷、松山が最近熱くなってきた。
昨春開館したミュージアムや劇場が活性化しているからだ。
司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」がNHKでドラマ化が
決定して、文庫本(八巻)を買って再び読破してみた。
まことに小さな国が………で始まる書き下ろしは
学生時代に愛読したそのもの。私の実家近くに生家のある
軍人・秋山兄弟(主人公)も、より身近に感じた。
来年放映されるドラマが楽しみだ。
重宝している古本と近刊文庫本
『若い人の力に期待』
弊社の設計部には日本建築専門学校(静岡)出身者が3名
在籍している。彼らは4年間木造住宅の伝統技術を学び、
実習を通して大工技術も少し身につけているからいい。
私が彼らを気に入っている点は「木造建築を極めたい」
という純粋な心と、志が高いことだ。
来年は関東地区に本格的に進出するので
設計部、広報部、営業部で若い覇気のある人材は確保したい。
次代を担う若い人に助けてもらうことが重要だと思う。
『Wood Egg』
広島の名物のひとつに『お好み焼き』がある。今日は全世界の
多くの人々にそれを伝えるためオタフクソース(株)が
建築したお好み焼き館(ウッドエッグ)を紹介したい。
この館では『お好み焼き』の文化や歴史を展示し、実際に
調理して試食できるからファンにとってはこの上ない。
修学旅行のコースにも組み込まれているから
力の入れようも半端ではないことがよくわかる。
「自然の恵みに感謝して天然の味覚をつくる」という
オタフクソースの企業精神のもと木を外周に覆った
ドーム型の建物は地球環境にも配慮した5階建てだ。
味付けのソースを売る会社が食生活の文化を誇り、
素材・調理にまで心を配る。これぞ本物のビジネスだ。
広島版『お好み焼き』が世界に伝承されることを祈りたい。
『環境と舞台』
秋雨の肌寒い日(26日)に秋季中国地区高校野球大会を
観戦するため倉敷を訪れた。プロ野球公式戦が行なわれる
マスカットスタジアムは立派だったが、広島県勢は全校敗退。
来春のセンバツへの出場は絶望的となった。
プロ注目の新庄高校の六信投手に期待したが、
死球を連発し自滅した。優勝候補だったが残念だ。
球場を後にして、真備町で横溝正史が疎開した住宅を見学。
第二次世界大戦中に執筆した名探偵、金田一耕助の舞台だ。
地元の人から聞いた風習や昔話をネタに執筆したという、
「八つ墓村」や「獄門島」など横溝の代表作がここを舞台に
生まれたことに思いをはせながら「環境や舞台」の
大切さを痛感した。執筆した座敷や縁側に、明治村に
移築された、漱石が執筆したという借家を思い出した。
横溝正史が疎開した住宅
『菊理媛を嗜む』
若い頃は仕事の話に夢中になって、勝手な
主義主張とハシゴ酒で仲間に嫌われたもんだ。(笑)
しかし歳を重ねると気の許せる人と他愛のないことで
ホロ酔い心地を愉しむようになった。
先日も5時間もひとつの店でホロ酔い気分で会話を
楽しんでいたのに、翌日には話の内容が思い出せない。
でもこれでいい。笑いころげて握手で別れたのだから。
学生時代にはウィスキーのオンザロックで炎暑に
立ち向かい海でぶっ倒れたり、クリスマスにベロベロに
酔いつぶれ雪道をはって帰った武勇伝もある。
すべて若気のイタリ。今はほどよく呑んでいる。
『丸山さんはお酒が好きですか?』高名な方に日本酒を
プレゼントされた。かの有名な『菊理媛(くくりひめ)』である。
石川県白山市で熟成した日本酒の最高品だ。
いつ誰と呑むか、又、楽しみがひとつふえた。
『100年前の洋館』
広島の港玄関である宇品地区が様変わりしている。
ふと旧広島港湾事務所が気になり足を運んだ。
この建物は欧州ルネッサンス様式を日本的に
導入した公共建築物のひとつで広島市内に唯一
残る明治時代の木造洋館だ。
玄関上の屋根部分の切妻破風が面白い。
西洋風の柱頭の刻み仕事も見事だ。設計者は不明らしい。
完全に欧米の建物を見まねで造ったものだ。
それでも当時の大工さんの知恵が随所に見られる。
シンメトリックの下見板張りの外観は今では
白ペンキがはげ落ち、すっかり古びている。
100年前に建築され広島港の潮風に耐えながら
広島の文明開化の空気をひっそり伝承する建物は
やがて解体されることだろう。名残り惜しい限りである。
『歯が命』
『ちゃんと技術のある先生でないと…』と
クチコミで歯のインプラント治療を始めて6ヶ月。
インプラントとは失った歯のあとに人口歯根を
埋め込み天然歯のような美しい歯を作ることだ。
元来、私の家系は歯の治療とは縁遠い。それが証拠に
80歳になる母は今だ虫歯がないのが自慢だ。
私の場合、学生時代に野球をやっていた関係で
奥歯はガタガタ。バットでボールを打つ時に
瞬時にかなりの力で歯をかみしめるからだ。
自然の歯に近い噛み心地を取り戻すことができる
インプラントはやがて一般化すると思う。
「治療後もマウスピースで歯を保護すること」
をドクターからアドバイスされた。
『スランプ』
雑誌や情報誌の連載、単行本の執筆それにブログ。
私は原稿を書くとき難解な表現はできるだけ
避けて、書き散らしのないように心掛けている。
余計な文字を並べ立てると肝心なことがおざなりに
なって残心余情効果が薄れるからだ。
今まで書く苦しみと喜びを味わいながらやってきた。
しかし、自分ではどうにもならないスランプに陥った
ことがある。昨年のことだ。夏休みを返上して2ヶ月で
2冊の単行本を仕上げたがその後、リバウンドが襲った。
ハードさのあまり、筆を執ることが虚しくなったのだ。
そこで今年6月写真集を上梓してみた。文章で伝える
ことに苦労しなかったので楽しく仕上げることができた。
今、1年前にオファーのあった、営業ドキュメントの
単行本の最終校正に入っている。何とかスランプが
脱出できたようだ。乞う御期待願いたい。
『元気ですか?』
長旅を終えて帰国し、その足で大阪へ出発。
以後、1週間、ぶっ通しで全国各地で研修・講演をこなした。
ある住宅会社で、余談で「横臥の療法」について論じてみた。
これはある大学教授が開発したもので、やる気の
ない人のモチベーションを高める実践理論である。
要約すると、人間のもつ本能(より豊かになるために
がんばろうと努力すること)をかき立てれば
人間は元気になるというもの。成績不振で、
意欲を失った営業マンを隔離状態にすると
そのうち「早く営業という仕事がしたい」と意欲が
旺盛になり行動力が高まり、成果を生むということだ。
人には気分転換も公私のメリハリも必要。
休養、充電はもっと重要。「楽しさこそ力の源泉」である。