一通の便りによって瀬戸内の景勝地、福山市の鞆の浦に
『御舟宿いろは』が完成したことを知った。
この旅館はNPO法人が『旧魚屋萬蔵宅』を取得して改修したものだ。
1867年に幕末の志士・坂本竜馬率いる海援隊が
鞆町沖で船事故に遭遇した「いろは丸事件」の際に談判した場所である。
私は昨年『雨楽な家・町家』を商品化したときに、この地には
たびたび訪れていたので感慨深いものがある。
05年に2ヶ月間、鞆の浦に滞在した
アニメ映画監督の宮崎駿さんも興味を示し、
「倉」の字をかたどったのれんや石造りの大きな風呂、
ステンドグラスの窓などを提案したという。
京町家は用と美の再発見ができるが
鞆の町家では人情を包みこむ風情が感じられる。
宮崎駿氏が描いた図案
(旅館の2階平面図)
投稿者: admin
ようこそ、神が宿る島、宮島へ
アートディレクタに弟子入り
会社や商品の広告や看板などに使われる
ロゴマークやシンボルデザイン。
それらは理念や目指す方向性を示しブランド化には欠かせないものだ。
日本屈指のアートディレクタの飯守恪太郎先生と
ご一緒するとなぜかワクワクしてしまう。
好奇心や冒険心が旺盛。自由な発想と遊び心が奇想天外。
それらから優れたコンセプトやデザインが生まれ
クライアントの心を動す。私も鳥肌が立つことがしばしば。
「ロゴデザインは宝探し。おもしろくてやめられない」
この先生の殺し文句で私も勝手に弟子入りを志願した。
物静かに挑戦するということ
北海道、網走出身の逢坂 聡さん。
今、注目を集めている、自然光の撮影が得意な若手写真家である。
逢坂さんは技術も相当なものだが、謙虚で性格のいいのがいい。
だから旬の有名人からの仕事が舞い込むのだろう。
最近は、「ルー語」で復活のルー大柴。
朝ドラ「ちりとてちん」で一躍脚光を浴びた貫地谷しほり。
辛口の評論家、田原総一朗 に堺屋太一。
モデルの琉花。
日本語でロックを語りかけるサンボマスター。などを手掛けている。
将来ビッグになってほしい一人である。
この写真は逢坂聡さんのホームページより引用しました。
この写真は素人の撮影によるものです。前列左が逢坂さん。
『レッツゴー、レッツゴー、ヤンキース』
85年の歴史を誇るヤンキーススタジアムを訪れたのは1年前。
今年で取り壊されるニューヨークヤンキースの
本拠地球場の少し早い見納めだった。
メジャーリーグの応援には日本のプロ野球のようにかねや太鼓はない。
ブーイングと掛け声で笑いを誘い、
観衆が一体となって家族とゲームを楽しむところがいい。
ヤンキースの主砲、松井秀樹が結婚を機に「積極打法」で今年は好調だ。
いついかなるときも、マイペースを崩さなかった松井。
健康、食事、生活習慣それに精神面すべてにいい影響を与えているようだ。
今季、絶好調のレッドソックスの松坂大輔。
とてつもない大記録を達成しそうだ。
そんな予感がする。期待したい。
円熟のピカソに魅せられて
昨日、思い立って呉市立美術館のパブロ・ピカソ展へ出かけた。
陶芸・版画・油彩・壁掛けなど約160点の作品はすべて表現方法が自由奔放だ。
天真爛漫な遊び心と創作の楽しさがたっぷりと堪能できた。
特に「冠をかぶる女」は円熟味を増した筆遣いが伝わってきた。
孤高の巨匠の作品に感動せずにはいられなかった。
ひろしま美術館ではマティスとルオー展が開かれている。
暇をみつけて出向くことにした。
休日にジーンズをはいてみると
おしゃれに悩む中高年でも街を軽快に歩いてみたい。
仕事一辺倒だった団塊の世代がスーツを脱ぐと、誰もが
お洒落のハードルが高くなっていることに気づくはずだ。
その昔、若者の心をとらえたアイビールック。
ボタンダウンのシャツに綿パンにプレントゥの靴。それに金ぼたんのブレザー。
同じこだわりに自己満足していた時代がなつかしい。
<そこで朗報>
70年代後半にVANが展開していた『ニブリック』ブランドが復活した。
ファッションリーダーは石津祥介さん。
友人の紹介で私もメンバーになったが、
ショップは渋谷(表参道と恵比寿)・横浜(元町)の3店舗しかない。
石津さん曰く「日常を楽しむことがお洒落を楽しむことだ」と。
私もトラディショナルな風俗として広まるようにニブリック党を宣言した。
大の字になって
最近は暇をみつけて日本情緒あふれる温泉宿を探すのが楽しみとなった。
伝統と格式ある閑静なたたずまいと、湯上りが気持ちよさそうな露天風呂、
個性豊かな女将のもてなしの心。
それに、郷土料理に舌鼓を打つのも楽しみのひとつである。
若い頃は旅館の作法をもてあましたものだが
今ではそれも乙なものだ。
玄関で一服し部屋に通され仲居さんがやってくる。
一通りの説明を聞き、浴衣に着替えてくつろぐ。
畳に大の字になってみる。
大の字は人が精いっぱいできる大きなポーズだ。
無心になれるからいい。
山形で齋藤茂吉の書画をみて、上山温泉で宿をとる。
3000坪の庭に離れ風の平家の数寄屋建築が建ち並ぶ名月荘。
最高の贅沢である。
『モンゴル』を見たよ
モンゴルの壮大な大自然にモンゴル衣裳。手に汗握る殺陣シーン。
陰謀が渦巻く時代に戦士チンギスハーンを演じるのは浅野忠信だ。
モンゴル語でこなす演技力もさることながら
「撮影の1週間前にすべての台本が変わった」という驚きの
撮影エピソードを耳にし、改めて脱帽した。
『強くあれ敗れれば死あるのみ』
『闘って、生きた。守るべきはこの愛しきもの』
このフレーズがこの作品のすべてだ。
やさしさを秘めた強靭な魂が伝わってくる。
心惑う人にこそ見てほしい元気になる映画である。
因にチンギスハーンとは万物の王の意味。
バスにゆられて
私は広陵高校野球部の隠れファンである。
野球部のモットーである『一人一役。全員主役』がとても気に入っている。
先日もバスにゆられ県北の千代田で春の県大会を観戦した後、
三次まで足を運んだ。三次は江の川などの3つの川が合流する
「水都」で四方を山に囲まれた盆地特有の風情があり、
今でも卯建のある商家が残っている。
ここで小屋根の着いた見事な卯建を見つけた。
昨秋は片道に2時間かけて福塩線に乗って上下町まで出かけた。
試合には敗れたが田山花袋の小説に登場する
ヒロイン岡田美千代の生家を訪れ、得した気分になった。
上下町はかつて幕府の天領として栄え、いち早く中央の
文化が伝わった歴史と文化の薫る町。
白壁やなまこ壁が似合うロマンの町に、又、いつかゆっくり散策したい。