『丸山さんですか?』池袋の書店で声をかけられた。
30代のハウスメーカーの営業マンだった。
咄嗟に私は立ち読みしていた本を閉じた。
本の名は『RURIKO』。少し気恥ずかしかった。
この本は林真理子が浅丘ルリ子の半生を描いたもの。
営業マンが立ち去った後、20分で斜め読みしたが、
見栄や衒いがない浅丘の生き様は以外だった。
なぜ、この本を手にしたかって?
それは、平積みされている表紙(故秋山庄太郎撮影)の
浅丘ルリ子の美しさに魅了されたからだ。
耳元のイヤリングを弄びながら、うっとりみつめる
浅丘の目と、ぼてっと量感のある妖艶な唇が何と
色っぽいことか。本の表紙の威力を思い知らされた。