昨夜はWBCのテレビ中継に釘付けとなった。
WBCとは16の国と地域が参加する野球の国際大会。
強敵の対オランダ戦は激闘4時間46分。侍ジャパンは
WBC史上初のタイブレークで延長戦を制した。
日本はメジャーリーガーは青木ただ一人。
至宝である二刀流の大谷は欠場。それに
かつての「大魔神」佐々木のような終盤を
任せられるクローザーもいない。対して
オランダはバリバリのメジャーリーガー5人。それに
年間60本塁打の日本記録を保持する
バレンティンも先発に名を連ねる。パワーの差は歴然だ。
それでも勝利したのは「勝つ」という執念の差ではなかろうか。
それにしても世界の野球の勢力図が大きく変わったことに
驚かされる。まず中国。日本代表(プロ・大学・U-18年代)との
戦跡をひも解くと、通算対戦成績は0勝70敗。プロ中心の
日本代表との戦跡は34戦全敗で得点は40得点(1試合平均1点)
失点は351点(1試合平均10点)である。10年前は
高校野球以下のレベルと言われていた中国だが
今大会の戦いぶりからして近い将来、日本のライバルチームに
なるだろう。格下だったオランダもコロンビアも強豪チームとして
台頭している。ドミニカ共和国も米国を撃破し、イスラエルもかつて
世界ナンバーワンと言われたキューバを攻守で圧倒し勝利した。
そんな中でWBCのホスト国であるアメリカが「WBCは今回が最後」
と表明しているようだ。ビジネスとして収益が見込めないとの理由だが…。
2020年の東京五輪にも「野球」が競技として復活し、子どもたちの
競技人口は激減しているものの「野球熱」は消してほしくない。
春浅いこの時期、選手には故障のリスクがつきまとうが
悔いのないプレーでファンを魅了してほしい。
ガンバレ、侍ニッポン。
中国新聞 2017・3・13 朝刊より