『不自由な建物』

明治の時代の監獄施設で当時のままの姿で
残っているのは網走だけらしい。
監獄は多額の国費が投下された重要施設だ。
しかし、建築思想がまったく異なるので異様に映る。
人が生活する建物は快適に造られているが
監獄は“看守目線”を意識させる建物だ。
受刑者が逃げないようにするのが
最大の目的だから止むをえない。
 
床は穴を掘られないように木床の下に厚い
コンクリートで固められその下にレンガを
敷き詰めている。壁は壊されないように
太い間柱が隙間なく入っている。
 
自由よりも束縛、開放よりも閉鎖。
建築常識をひっくり返した「不自由な建物」。
本当は二度と見たくない
行ってはならない場所かもしれない。
 
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舎房天井の天窓は鉄線入りガラス
 
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看守が囚徒を監視する舎房